あこがれの一戸建て。購入する物件に目星はついた。その次に悩むのは、どんな室内を作るか、つまり家具選びではないでしょうか。一言に家具選びといっても、家族構成や、もともとお持ちの家具があったりなど、考慮すべき要素はたくさんあるものです。こうした悩みはプロに聞いてもらうのが一番。インテリアコーディネーターの先生に、広めの一戸建てを購入する前提で、どのような家具選びをすればいいのか、心地よく住める室内作りのポイントを伺いました。
インテリアコーディネーター
小森 あきさん
長年のインテリアコーディネーターとしての経験を生かし、ただ美しいではなく、暮らしやすく、居心地の良い空間の提案を行う。新築、リフォーム、引越しに伴う家具レイアウトやカラーコーディネートといった室内作りの相談に多数対応してきた経験を持つ。
小森:おっしゃる通り、なかなか難しいものです。今回は、実際に「ザ・パークハウス ステージ」の間取りなども考慮しながら、家具選びのポイントを考えてみましょう。
小森:まずは、家族構成を考えてみましょうか。お子さんがまだ小さい、と仮定した場合、リビング・ダイニングの家具選びにも一工夫できます。例えば、こんなアイデアはいかがでしょうか。
※写真はイメージです
小さいお子さんの場合、食事時もなにかと手がかかるでしょう。そうした場合、真横や正面にお子さんがいるより、斜め横に座っている方が、世話をしやすいと思いませんか。こうしたシチュエーションでは丸いテーブルが便利です。コミュニケーションをとる際も、ちょっと手を添えて話しかける、ということもしやすいと思います。
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お子さんが小さければ、やはりお子さんに常に視線を送れる空間作りがいいでしょう。キッチンやダイニングから、リビングがよく見えるように、視線や導線をさえぎらない背もたれの低いソファーを選ぶのがおすすめです。
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もう一つ考えたいのは、リビング・ダイニングの導線です。小さいお子さんが元気に動き回れるように、なるべくすっきりとした導線を考え家具を配置してみましょう。ザ・パークハウス ステージのように素敵なお庭があるお家なら、リビングから一直線にお庭に出られるような導線を作っておけば、お子さんは遊びやすいですし、夏にプール遊びなんかもしやすくなります。ご両親もお子さんのいる場所にアクセスしやすくなります。
小森:中学生くらいのお子さんがいらっしゃれば、今度はお子さんのプライバシーを意識するといいと思います。例えばソファーなら、L字型で背もたれの高めのものを選んでみる。こういったソファーであれば、キッチンからお子さんがいるのが見えるけれど、手元などはほどよく見えないといった、“適度な個室感”がリビングに作れるので、年頃のお子さんも部屋に居やすいのではないでしょうか。
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お子さんがリビングで勉強などをしていると、勉強道具などを子供部屋に戻すのがつい億劫になって、散らかりがちです。ですから、テレビ台の一角などでもいいので、リビングにもお子さん専用の収納を一つ用意しておくといいでしょう。お子さんが片付けしやすくなり、リビングの整頓を保ちやすくなります。
小森:もちろんです。壁面が広い縦型リビング、窓が広い横型リビング、それぞれの工夫を考えてみましょう。
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縦型リビング、特に壁面が多いお部屋の場合、家具をたくさん置けるというメリットがあります。必然的に、収納スペースも豊富に用意することができます。持ち物が多い方などは嬉しいポイントではないでしょうか。
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もう一つ、壁にアートやタペストリーなどを配置することで、部屋にラグジュアリーな雰囲気が演出しやすくなります。観葉植物や、ランプなどを置くのもいいですね。収納だけでなく、“壁はキャンパス”という意識で、住む方のこだわりを示せるアイテムを置いてみるといいでしょう。
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横型リビングならば、ダイニングスペースとリビングスペースを分けた空間作りがしやすいのがポイントです。空間の役割を分けメリハリあるお部屋が作りやすくなる傾向にあります。
小森:リビング・ダイニングが広い、とはそれだけでハイグレードな雰囲気です。空間作りでも、プラスアルファの要素が楽しめます。例えばこんなアイデアはいかがでしょうか。
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ソファーに加えてもう一つ、パーソナルチェアなどを置いてみると、グッとお部屋のグレード感が上がります。見た目だけでなく、住む方がリラックスできる空間になるのではないでしょうか。
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お部屋が広ければ、ラグの選択肢も広がります。ソファーの周辺だけでなく、もう一枚、アクセントとなるラグを置くなどして、空間を華やかに演出できるのも、広いリビングスペースがあればこそです。無地のラグに、柄もののラグを足すといった遊び心をみせるのも楽しいですね。
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マンションから一戸建てへのお引越しの場合だと、マンションで使っていた家具だとサイズ面で少し物足りない、ということもあるでしょう。このような場合、すべての家具を買い足すのではなく、低い棚の両サイドに、背の高い棚を追加で買う、という方法もあります。シンメトリーを意識することで、整った空間が簡単に演出できるのでオススメです。
小森:いろいろな方法がありますが、やはりお部屋の中で面積の広い部分、壁や床の色を基準に色選びをすれば、統一感を演出しやすいですね。
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最近のトレンドは、ややスモーキーなグレージュ(グレーとベージュの中間色)です。今回お邪魔しているザ・パークハウス ステージ 奥沢東玉川でも、お部屋によってグレージュ系の床を採用していますね。こうしたお部屋ならば、家具も床に合わせてグレージュ系のものをチョイスすると、シックで落ち着いた空間が作りやすくなります。
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床がホワイト系であれば、家具もホワイト系でそろえてポップなお部屋作りもいいでしょう。鮮やかな色をアクセントに加えることで、よりビビットな雰囲気を演出できます。ソファーのクッションなど取り替えやすいものにアクセントカラーを取り入れれば、失敗しにくくなると思います。
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濃い色合いの床ならば、家具も濃い色合いのものをチョイスするのが、統一感のあるお部屋を作る近道です。黒や濃い茶色の家具で揃えれば、重厚感がありながらも落ち着ける大人の空間が演出できます。
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新たに家具を買うならば、写真など、サンプルになるものを用意していくといいでしょう。記憶の中の色合いと、実際の色合いは異なることも多いです。サンプルとお目当ての家具を並べてみて、マッチすると感じたものを購入するのが、素敵なカラーコーディネートを作る近道になりますよ。
小森:家具選びやカラーコーディネートの方法は、住む方次第です。住む方が心地よければ、それ以上のコーディネートはありません。どんな家に住みたいか、どんなライフスタイルに憧れているか、ご自身の“心地よい部屋”をイメージして、素敵なお部屋を作ってください。