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#50 コレクティブハウス 〜コミュニティーの大きさについて
前回に続き、コレクティブハウスについてもう少し考えてみようと思います。今回はコミュニティーの大きさです。コレクティブハウスはヨーロッパで生まれました。その際200〜300世帯が一緒に暮らすのが一般的な規模でした。その後アメリカで、戸建住宅に対してこの考え方を展開していきます。この仕組みを“コウハウジング”と言います。この時は30家族を理想の単位としています。一つ一つの家は一般の家より少し小さくしながら、共有で使える部分を多くしています。食事をする場所や日曜大工をする場所などを共有しているほか、共同の広場や庭を持ち、一人一人では持つことの出来ない環境を手に入れています。
こうした場所には様々な人が暮らします。一人暮らし、シングルマザー、高齢者といった、ある意味社会の中で弱い立場の人からこうした住み方が始まったといってもいいでしょう。何かを少しだけ我慢するかわりに多くのメリットを享受するということかもしれません。
コレクティブという言葉が相互扶助という意味を持つもので、そうした助け合いは、助け合いが必要な人にこそ、その価値があるのです。今日本は高齢化、少子化、単身家族の増加と様々な意味で、多くの人が助け合いを必要とする社会です。こうした時代にこそ、コレクティブハウスのような、またコウハウジングのような建築のプログラムで暮らしをサポートできればと思います。
気になるのが、今回テーマとなっているコミュニティーの大きさです。アメリカでのコウハウジングの30家族というのは、月に一度食事当番をすれば済む単位だと聞いています。日本においてはどのような単位が理想なのでしょうか。月に一度とはいえ食事の当番をすることや、毎日一緒に食事をすることが今の日本の社会ではなかなか難しいかもしれません。だとすると、もっとゆるやかなコミュニティーを運営する事を前提に、その大きさを考えた方がいいかもしれません。また、あまり小さなコミュニティーに一つ所属するだけでは息が詰まりそうな気もします。いくつかの小さなコミュニティーが存在し、適宜自分の気の合うコミュニティーを選択できるような大きさがあると良いです。40家族、80人ぐらいというのはどうでしょうか。名前もその家族も覚えられるぐらいの範囲です。
さらにコミュニティー運営がうまくいっているコレクティブハウスの事例をひとつ紹介します。ここでは、まず入居前に面談をし、どのような暮らしをしたいかを話し合い、自分の意思で入居を選択したという意識を持ってもらいます。そしてその時に伝える事は「人から提案があったときに、それを妨げない」ということだそうです、月一度のミーティングにオーナーや運営サイドのメンバーが同席しますが、住民同士がフラットな関係でお互いを活かし合う事が。住人の意識に変化をもたらし、コミュニティーをうまく運営していくコツだというのです。まずはゆるやかなコミュニティーをどう作っていくのか、そこに、日本のコレクティブハウスの作り方のヒントがあるように思います。
いかがでしょうか、コレクティブハウスのコミュニティーの大きさについて、そして運営のルール、みなさんはどのように考えますか。
みなさんのご意見をお寄せください。