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#20 ダイニングキッチンと作業台
50年ぐらい前までは食堂と台所がひとつになっているダイニングキッチンが主流でした。キッチンの背中側にダイニングテーブルがあって、料理をするところと食事をするところは同じ空間というのが多くありました。そのダイニングテーブルは料理の下ごしらえをしたり、出来上がった料理の盛りつけをしたりと、ダイニングテーブルは作業台としても活躍したのです。
子供の頃、お母さんと一緒にさやえんどうのへたをとったり、餃子をつくったりした経験がある方もいるかもしれません。料理の盛りつけも広い作業台でするのは便利ではありました。
しかし家の面積が広くなるにつれて、キッチンのかたちも変わっていきました。男子厨房に入らずという日本の慣習もあったかもしれませんが、たしかにキッチンの中で食事をするのは、落ち着かないのも現実です。ダイニングを独立させたり、リビングと一体となったリビングダイニングがその後一般的になっていったのもうなずけます。その後、独立したキッチンはどんどん広くなっていったにも関わらず、作業台の面積は必ずしも広くはなりませんでした。
当初のキッチンの幅は1メートル80センチでしたが、徐々に大きくなり今では2メートル40センチが標準の大きさになっています。それでも作業スペースは広くはありません。1980年代頃から、独立(クローズ)型のキッチンに変わって、セミクローズ型のキッチンが流行するようになりました。キッチンの前が窓のように開いていて、そのカウンターに皿などを置いたり、また調味料などを置いたりもできるようになり、狭い作業台を有効活用できることに一役買ったのです。そして最近ではキッチンそのものが家具のように美しくなり、オープンキッチンも普及し始めています。調味料などの置き場も工夫されて、キッチンの扉や壁に専用のラックが付けられていたりもしますが、やはりここでも作業台は大きくなりません。
そこで今回の提案は、作業台を確保した現代的なダイニングキッチンを提案してみたいと思います。
1 キッチンは小さなままで、作業台を組み込んで使うときに広げられる
作業台がキッチンの上をスライドします。幅600ミリメートルの作業台です。シンクやコンロの上に置けば、作業台のスペースが広がります。またキッチンの横にある作業台は折りたたみ式。この作業台をダイニングテーブルとしても使えます。
2 キッチンとダイニングテーブルを横につなげる
ダイニングを作業台として使えて便利ですが、キッチン面とダイニングを同じ高さにすると、座面の高い椅子を必要とします。家族と会話をしながら調理などもできるという利点もあります。
3 大きなキッチンにしてダイニングを兼ねることで作業台を確保する
大きなテーブルの中にグリルとシンクを埋め込みます。作業は便利ですが、座っているひとの目の前にあるために、調理しながらすぐに片付けないと目障りです。これもキッチンとダイニングを同じ高さにすると高い座面の椅子を必要とします。
4 シンクとグリルを分割して、大きなダイニングテーブルにグリルを組み込む
シンクだけを別にすることで、高さを通常のダイニングテーブルの高さに合わせる事も可能です。調理のとき、なべの持ち手が低いと少し不便かもしれませんので作業面の高さについては十分検討が必要でしょう。
いかがでしょうか。ダイニングテーブルとキッチン台を一体につくること、またはキッチン内にダイニングテーブルを置く事で作業台を確保するという考え方、時代を経て、もう一度ダイニングキッチンの利点であった作業スペースを確保することについて考え直してみたいと思います。
みなさんはどのように思いますか?